斜め移動とマップ

斜め移動を導入する場合の注意点

758 名前: ◆vipRGqvJxg [sage] 投稿日:2006/04/29(土) 17:15:13 ID:???
ツクールで八方向移動って不便?

剣4の斜め移動の感想に対して
ツクスレで作者から質問が出ていたので追加のコメント


答から言うと、8方向移動ができる事は悪いことじゃない
問題はマップが8方向移動に合わせて作られていなかった事。

マップ構成?

あくまで自分の感想としてなのだが、
マップを作るときの大事な点の一つとして
マップを走っていて気持ちがいいかという事があると思う。
その基準の一つが、煩雑な方向キーの入力を要求しない事と言ってみる。



同じゴールに行くにも、図AとBは最短移動距離(道のりの長さ)は同じでも、
図Aはキーを、さいしょは上、ぶつかったら左、またぶつかったら上と
簡単な3回の入力ですむが、
図Bは最短距離は同じでも、上2、左5、上2、左3、上3と
面倒な入力を要求される。


さらに、図Cのようにマップチップを変えれば
ルートの目安がつけやすく移動しやすい。
中身が同じ構成でも視覚的な効果も重要なことがわかる。


もっと簡単な例は図Dである。
上下のマップは、ほとんど差が無いが
上のマップは、上に押しっぱなし、ぶつかったら左に押しっぱなし…でいいが、
下のマップは、上に入れた後、『タイミングよく』左に入力する必要がある。
ほんの些細な違いだが、何箇所も重ねれば、
かかるストレスは確実に差がでるだろう。


まあ、面倒なことを抜きにして簡単に言えば、
無駄な障害物はなるべく減らして、壁はなめらかになるように設計しましょうということになるだろうか。
ただ、グラフィック上の都合との兼ね合いは難しいかも。

4方向→8方向→…→アナログ移動?

さて、ツクール2000は標準では上下左右の4方向移動である。
当然、基本のRTPも4方向移動に合わせて
マップチップ4方形を基本として作られている。
したがって、標準ではない8方向移動を導入するならば
マップチップも当然それにあわせるのが最も適切である。
つまり斜め4方向にあわせたマップチップを追加する必要があるということ。
もっとも、マップチップを自作するのは
かなりの労力を要するので、実際にはマップの構成を工夫する方が現実的かもしれない。


最初の話に戻ると、剣4のマップは狭い場所が多く、斜め移動に合わせて作られておらず
斜め移動が有効に使えないどころか、かえって操作ミスをさそってしまいかねない所に不満を感じた。

例えば、図Eの左右のマップは、
4方向移動の場合には最短移動距離も方向キーの入力数は同じである。
しかし、斜め移動を加える場合は、移動距離も入力数も、
45度斜め方向がゴールの左のマップの方が有利である。


また、移動可能な方向が多い方が一見有利と思ってしまいがちだが、
図Eの右マップのような場合、
斜め入力をあえて使わない方が操作が容易な事も考えられる
つまり、ちょうど壁にぶつかる場合なら上まで行った方が操作が楽だということ。
さらに、斜めの場合は移動先の目安がつけにくくなる事もある。
斜め移動を追加する場合には、
こういった違いをマップ構成の場面で加えて考える必要があるかもしれない。



余談余談

4方向から方向を増やしていくと、最近のゲーム機では標準扱いのアナログ操作になっていくわけだが、
ポリゴンで3D表示ののRPGで上手く位置が合わせられなくてキャラに話しかけられないとか
同様にポリゴン3Dのアクションゲーム上手く位置が合わせられず、
穴に落ちてしまうという経験持つ人はいないだろうか?


これは、2Dから3Dになって目による位置の正確な把握がしにくくなった事が
最も大きな理由であるが、
操作システムの面での理由として
『デジタルな結果を要求されるのに、操作がアナログで行わなければならない』ということがあると思う。
つまり、目的の位置に行くためには丁度ぴったりな境界(デジタル)があるのに
操作するときには、丁度の目安となる線が引いてあるわけでもなく、適当にあわせなくてはならない(アナログ)という事。
デジタルな結果を要求されるゲームでは、入力もデジタルにあわせた方が有利な場合もある。


もちろん、日本の名だたるゲーム会社がそんな事に気が付いていないわけが無く、
対応策として、上に書いたような目に見えるマップ構成に気をつかうことはもちろん、
目には見えない柔らかな壁のようなものを作って
目的の場所に自然と主人公の進む方向を補正してやる事などを行っているらしい。


ユーゲー2005年5月号の『プリンス・オブ・ペルシャ 〜時間の砂〜』の記事(30〜33ページ)によると

特に感心したのは、アクションの『補正』の細やかさだ。

例えば、3D空間における「ジャンプ」は結構難しい。
2Dに比べ距離は測りにくいし、ちょっと方向がズレただけで着地点は大きく変わってしまう。
これを本作では、プログラムがこっそり「補正」してくれているのだ。


TEXT by 池谷勇人氏


まあ、ぶっちゃけ、今回の話はこの記事の受け売りだったりするハハハ(笑)



まとめ

まあ、ツクールで作るゲームでは、見えない補正を駆使してまで考える場面は多分ないと思う…が、
同記事ではこうもいっている

3Dになってゲームの情報量は増えたが、それがかえって枷になり、
アクション本来の楽しさをスポイルしてしまっている作品を筆者は過去にいくつも見てきた。

ツクールゲームは誰かにプレイしてもらう楽しみも確かに大きいが
それ以前に、いろんなイベントやシステムを作ったりして『自分が作る楽しみ』が一番にあると思う。


だから、色んなシステムを詰め込んで遊んでみるのは決して間違っているわけじゃなくて
正しい遊び方だと思う。
でも、一歩進んで他の人に楽しんでもらうという事を考えた場合、
無駄なシステムを切り捨てる勇気も時には必要だと思う。


ゲーム製作において、あのシステムを導入しよう、このイベントを加えてみようと
だんだんと膨らんでいくのは常だし、とても楽しいことで間違ってはいないが
一つの『作品』として完成させるならば、
どこをはぶけるか、どのシステムを切り捨てるかを判断することも重要なんだ!
とまとめてみるテスト。